ロシアンティーを一杯

あくまで個人の意見です

唯物論①

唯物論、というとマルクス主義の根本的な概念だが、これがどういうものかというと左派にシンパシーを感じている人でも説明できる人はそうそういないのではないだろうか(ガチガチの古参活動家ならむしろ説明できないほうがおかしいと思うけど)

ということで、自分用のメモがてら、ここにわかりやすい唯物論の基本的な知識について書き記していきたいと思う。

 

 

マルクスはこの世界について、「この世界には物質しか存在しない」と定義した。

当たり前じゃないかと思うかもしれないが、神とか霊魂とかガチガチに信じている人ばかりでないにせよ、物質を超越した存在があると思っている人は少なくないと思う。代表的なものは「精神」である。

しかし唯物論的に言えば、精神というのも結局は脳の作用でしかなく、魂がどうたらこうたらとかいうスピリチュアルなものではない、ということになる。そして脳の物質的な作用(シナプスがどうとかホルモンがどうとかいうやつ)が精神を形成しているのだということである。

その上でマルクスは「物質が精神を規定する」とした。上記の説明もそうなのだが、人間は一見すれば自分の意志で主体的に自由に行動しているように見えるが、実はそうではなく、物質的な外部環境が人間の精神を決定づけているのだとマルクスは説いた。

これはどういうことかというと、例えばある人がパンを食べるとする。その人がお腹いっぱいに食べられる環境にいれば、その人は勢いよく頬張ってよく噛まずに飲み込むだろうし、ときには残すようなこともあるだろう。しかしパンを一日一切れしか食べられないとなれば、その人はむしろ味わいながら食べるようになるだろう。このように、物質的な外部環境によって、人間の行動は左右されることをマルクスは「物質が精神を規定する」と表現したのである。よく巷に聞く精神論なんてのがあるが、自分の精神を自分自身でコントロールするということは、マルクスに言わせれば土台無理な話なのである。

以上のことから、マルクスは、人間の精神は、実は物質的な環境からは自由ではないとした。

 

今日はここまで!