ロシアンティーを一杯

あくまで個人の意見です

党生活はつらいよ

今わしは一応ながらも某セクトに所属している。
まあ機関紙だけ読もうと思ってコンタクトを取って、その挙げ句オルグされたからはいったのだが、正直入る時は「さすがに入るのは…」とあまり乗り気がしなかったので一度は誘いを断って二度目のオルグで入った(その後組織に連絡しなくても一部の本屋でも買えることを知った)。というのも過去に複数のセクトに入れ込んだ経験があり、そこで苦い思いをしているからだ。だからセクトに所属してはいるもののセクトというものが心底嫌いだ。以下の文はその苦い思い出の一部だ。
 

 

 
これまで有名所や超ドマイナーなところまで、いろんな左翼党派を直に見てきた(加入しなかったところも含めて)けど、どれも労働者の味方っていうのが感じられなかった。
学習といっても党の見解を丸暗記だの党の論文を読めばマルクス主義だだの言ってマルクスの思想にはほとんど触れることはなかった。
「会議」の場では特に議題がなければ機関紙の読み合わせ(これはどこでもやっているが)で終わるのはいいとして、「討論」で討論がなされたことが一度もなかったのは驚きだった。普通一般に認知される討論とは意見がぶつかり合うものなのだがセクトの「討論」とは意見は一方通行で誰も受け取らない。意見をだすというよりは近況報告(中には政治に無関係な無駄話をする人も!ただの町内会じゃねーか!)。それどころか問題の提起すらなされないことだってある。意見をぶつけないというより、意見がぶつかり合うことを恐れているように感じたが、これには流石に驚きを隠せなかった。はじめのうちはこんなこともあるよなと思っていたがそれが毎回となるとさすがに自分は何をしているんだろうという気になってくる。
ある日会議で何か意見はないか?何でも良いというのでとりあえず他の人と同じく近況報告(職場の現状を知ってもらいたいという思いもあった)をした。すると甲高い声で「そんな話をここでするな!」と怒鳴られた。労働者の現状は「そんな話」で地域の幹部の犬の世話の話は「討論」なのか?だいたいそういうたぐいの話は他の人だってしてるのに、なんでわしだけこんなことを言われなきゃいけないんだと憤ったし、以来セクトが変わっても会議で発言することはしなくなった(今の党派では聞かれたら答えるくらいはするしそれでも結構気を使いながらの発言になってしまう)。
 
それでもせっかく科学的社会主義の党にいるのだから理論武装しようと独学での学習を続けていたものだ。わしは以前26歳のときに共産主義に目覚めたと言ったが、それより以前(大学時代)からマルクス主義には興味はあった。だが思想が難解すぎたのとバイトや卒論や就活などで忙しく本格的に学んだことはなかった。なので労働者となった今、これを機に本格的に学習を始めようと昔買った大月書店の赤い資本論を引っ張り出してきて自力で一生懸命読み込んだ。もちろんわからなかった(笑)。
そこでマルクスの文献で不明点を党派の先輩方に聞いたりしたのだが「そういうもんだと思っとけ」と返されたりする。
 
ハァ?( ゚д゚ )
 
納得できないまま受け入れろってそれって学習というより洗脳・思想の押し付けではないのか?
それともわしが若いから、何も知らないだろうから、一から十まで先輩の俺の言う通りにすればいいんだという態度から来るのだろうか。
たとえば某セクトでは以下のようなやり取りがあった。
 
わし「わからない」
 
「どこがわからない?」
 
わし「この文章の趣旨がわからない」
 
「それはお前の読解力がないだけ」
「お前が理解しようとしていないだけ」
「まず教養を身に着けろ」
「なんでわからないのかがこっちがわからない(笑)」

 

 
矢継ぎ早にこんなことを言われたら二度と聞きたくない。挙げ句独習でなんとかしろと言ってくる。わからないことは何でも聞いてねと入るときに言ってきたのはどこのどなたでしたかね?そして抗弁するとお前の言ってることは詭弁だの大声で怒鳴り散らしてくる。
まあこんなことがあれば普通の人間なら勉強嫌いになるだろう。(わしは普通の人間じゃない異常者なのでそのまま学習を続けた)
 
低賃金で金はないのに党費やカンパ(出す出さないも志願だが、みんな出してると言って強制してくる)だの、あるいは仕事でクタクタなのに休日は会議や集会に引っ張り出され、気づけばいつの間にか連絡を絶ってフェードアウト。その都度自分は組織の歯車じゃあないんだよ、と捨て台詞を吐きたい気分だった。
ある先輩のおじいさんが若い人が根付かないと嘆いていたけれどそらそうよと内心思ったものだ。
 
わしはマルクスの思想そのものは素晴らしいと思ってるし200年の月日を経ても色褪せない深さを持っていると思う。だがそれを掲げているからといって後進を正しく導いているか、というと必ずしもそうではないのだと過去の経験に学んだ。
理不尽がまかり通り、責任者はおらず権力者だけが居座る権威主義。志願という名の強制が行われ、精神論が横行する。これってどこの日本軍なんですかね。
 
今所属している党派は過去のそれらと比べたら比較的マシだと思っている。全党派を見たわけではないし、わしが単にハズレを引きまくってるだけかもしれない。けれどもやっぱりセクトは嫌いだし、やっぱりここもそうかあと思うところも少なくない。正直これが最後だと思ってるのでここがハッキリ駄目だと思ったらスパッと辞めるだろうしもう二度とどこの組織にも属することはないだろう。
だからこそ自分は過去に出会った反面教師達のようになりたくないと思っている。自分の欠点を自覚しつつ、人の助けを得ながら人を助ける、相互に成長できる人間になりたい。